食品プラットフォームで急成長するシコメルフードテックが語る、上場準備クラウド FinanScope 活用の理由

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株式会社シコメルフードテック 様
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2019年の創業以来、独自の食品プラットフォームで急成長を遂げるシコメルフードテック。今回は、同社の上場準備における FinanScope の活用事例について、「コーポレート本部長」瀬田さんにお話を伺いました。

株式会社シコメルフードテック 瀬田様

シコメルフードテックの事業やサービスついて

── シコメルフードテックの事業についてご紹介いただけますでしょうか?

飲食業界における課題、特に人手不足の解消に取り組んでいます。様々な業界でITテクノロジーの活用が進む中、飲食・食品業界における製造や発注業務は、現在でも多くの飲食店や食品会社がアナログな手法のまま運営されています。これにより、飲食店・工場は生産性が上がらず、利益率も低い状況が続いていました。

── 具体的にはどのようなサービスを提供されていますか?

大きく分けて2つの事業を展開しています。1つは、OEM と呼んでいる食品プラットフォーム事業です。食品工場は高い製造力を持っていても営業力が不足しがちです。そこで、我々が営業力を提供し、工場の売上向上を支援します。具体的には、レストランやホテルに対して、時間のかかる仕込み作業が必要な食材、例えばタレや角煮などを工場からお届けするプラットフォームを運営しています。

もう1つは、ゴーストキッチンを支援する事業です。例えば、昼はラーメン店として営業している飲食店が、夜はデリバリーでカレーを提供するゴーストキッチンとして営業できる仕組みを提供しています。このように、既存の飲食店の収益機会を拡大すると同時に、我々のプラットフォームを通じた食材の流通量も増やしていく、そんなビジネスモデルを展開しています。

── 御社のターゲット市場についても教えていただけますか?

大手チェーン店は自社でセントラルキッチンを持っていることが多いのですが、私たちがターゲットとしているのは、2-3店舗程度の小規模飲食店です。このような規模の飲食店では自社でセントラルキッチンを持つことが難しく、かつ人手不足に悩まれているケースが多いんです。

── 創業からの成長について、どのように捉えていらっしゃいますか?

2019年12月の創業から、現在は年商20億円規模にまで成長しました。これまで国内外の VC をはじめ、事業パートナーや従業員など、多様な方々にご出資いただいており、当社のビジョンに共感いただけていることは大きな強みだと考えています。

また、今後はグローバル展開も視野に入れています。例えば、ブラジルのレストランで日本食を提供できるようにするなど、海外市場での展開可能性も検討を始めています。日本の食産業の発展に貢献するという私たちのミッションは、国内に限らず、グローバルな視点で追求していきたいと考えています。

株式会社シコメルフードテック 瀬田様

リソース不足から体制整備へ ─ 上場準備で経験した壁

── 御社は創業時から IPO を視野に入れていたとお聞きしています。その背景を教えていただけますでしょうか?

日本の外食産業には、長時間労働や非効率な業務プロセスなど、多くの課題が存在します。これらの課題を解決し、業界全体をよりよくしていくためには、継続的な成長投資が必要です。特に、将来的な海外展開も見据えると、上場による資金調達は重要な選択肢でした。

── 実際に上場準備を進める中で、どのような課題に直面されましたか?

当初は2023年5月期をN-2期として準備を進めていたのですが、体制面での課題が大きく、結果的に2回ほどN-3期をやり直すことになりました。残高確認書や代替手続きの対応など、コーポレートメンバーのリソース不足が顕著なため、特に監査対応では大変苦労しました。また、取引先に個人事業主が多いことや、エビデンス整理、在庫管理業者の品質管理など、様々な面で課題が浮き彫りになりました。

── 体制面での課題に対して、どのように対応されましたか?

段階的に管理部門の強化を進めてきました。現在は経理4名、管理全般1名、情報システム1名に加えて、外部の公認会計士2名にも支援いただいています。また、私自身、監査法人で15年の経験があり、7月に参画させていただいたことで、監査法人とのコミュニケーションもスムーズになってきました。

── 上場準備のプロジェクト管理はどのように行っていましたか?

当初は監査法人のショートレビューの指摘事項に対応することが中心で、体系的なプロジェクト管理とは言えない状況でした。その後、WBS(Work Breakdown Structure)を用いた管理に移行しましたが、エクセルでの管理には限界がありました。特に、タスクの期限管理や、監査法人・証券会社との情報共有面で課題を感じていました。

私が作成した WBS では、ゴールは設定していたものの、『できそうなところから対応する』という進め方になりがちでした。これは今振り返ると反省点の一つです。より計画的で効率的なプロジェクト管理の必要性を強く感じていました。

タスク管理の不安を解消へ ─ FinanScope 導入の経緯と選定理由

── FinanScope の導入を検討されたきっかけを教えてください。

CEO である川本の主導で検討が始まりました。上場準備を進める中で、『重要な対応事項の期限を過ぎてしまうことがないか』という懸念があり、より体系的なタスク管理の必要性を感じていました。エクセルの WBS だけではタスクの漏れがあるかもしれないという不安もありました。

── 実際の選定プロセスについて教えていただけますか?

FinanScope ともう1社の2つのツールを検討し、約1ヶ月かけて比較検討を行いました。私自身、監査法人での経験があったため、会社側と監査法人側、双方の立場での課題感があり、それを踏まえた評価ができたと思います。

── 最終的に FinanScope を選択された決め手は何でしたか?

大きく2つのポイントがありました。1つ目は、タスク管理の効率化です。特に内部統制の運用テストなど、一つの運用テストで25件程度のサンプルが必要なものなど、大量のサンプルを扱う作業での活用に期待がありました。サンプルを FinanScope に登録していけば、効率的に運用フェーズに移行できると考えています。

2つ目は、監査法人や証券会社との連携のしやすさです。以前は『資料を依頼する→メールで送付する→格納場所を連絡する』といった煩雑なステップが必要でしたが、FinanScope ではそれらがダッシュボード上で一元化でき、連携がスムーズになると考えました。

既存体制との融合を目指して ─ FinanScope 活用の展望

── 現在の FinanScope の活用状況について教えてください。

2024年夏から FinanScope を契約し、現在は Excel の WBS との並行運用を行っています。経理スタッフが積極的に FinanScope の活用を推進してくれており、徐々に移行を進めています。特に UI や UX について気づいた点は、随時 Slack でフィードバックさせていただいている状況です。

また、外部のコンサルティング会社とも週次でミーティングを行っており、FinanScope を活用しながら、IT 全社統制や各種ドキュメント作成など、具体的な成果物の作成を進めています。

── これから本格的にご活用いただきますが、FinanScope について、現在までの評価をお聞かせいただけますか?

FinanScope は既存の支援体制とも組み合わせることで、より効果的なプロジェクト管理が実現できると考えていますし、監査法人側と会社側の両方の視点で見ても、双方の課題を解決できるツールだと実感しています。


和田拓馬
和田拓馬(監修)

シコメルフードテック様に FinanScope をご活用いただき、心より感謝申し上げます。飲食業界における長年の課題に真正面から取り組み、テクノロジーの力で解決を目指す御社の姿勢に、深く共感いたしております。

特に印象的だったのは、管理体制の整備を通じて、より大きな社会的インパクトを追求されている点です。上場という重要なマイルストーンに向けて、経営管理のデジタル化と効率化にご活用いただけることを大変嬉しく思います。

今後は海外展開も視野に入れられているとのこと、御社の革新的なプラットフォームが世界の食産業に変革をもたらすことを心より期待しております。FinanScope は、その成長の過程で必要となる経営管理体制の強化を、全力でサポートさせていただきます。